
不妊症
日本産婦人科学会によると『「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。』とあります。その原因には子宮筋腫や子宮内膜症などがあります。そのように疾患名がはっきりされている場合は病院で治療して妊娠することができるようになる方もいますが、特にそういったことがないのにもかかわらず、妊娠できないという方も多くいらっしゃいます。しかし、西洋医学的に診ても異常がない場合でも東洋医学的に視ると身体のどこかに弱りがあったりします。たとえば月経が不規則だったり痛みが強いという事から、食欲がない、便秘やお腹を下しやすかったり、睡眠の質が悪く疲れが抜けにくい、足が冷えたり浮腫んだりするなど、いろいろなサインが出ています。それら身体全体の状態を視て診断、治療をしていきます。
このような症状は一朝一夕にしてできたものではありません。生まれ持っての体質や長い年月をかけてダメージを蓄積していってしまっている結果ですので、当然治療にも時間をいただくことになってしまいます。半年から年単位と人によってバラバラで、どうしても気長にやっていくことが大切になります。はりきゅうだけでなく日常生活にも気を付けなければなりません。飲酒喫煙、食生活の乱れの是正など、日頃の養生が肝心です。
このように、不妊治療とはいいますが、特別な治療をするわけではなく身体全体の調子を調えていくことにより、妊娠、そしてそれを維持して出産へとたどり着くことができるような身体へとなっていくのです。当然、これらのことは男性にも当てはまります。易経には「同声相応、同気相求」という言葉がありますが、夫婦となるような間柄では持っているエネルギーも似たような事が多いので女性だけでなく男性も養生していかなければなりません。患者さまが諦めない限り私も諦めません。気負いすぎると身体も緊張して良くありませんが頑張って続けていきましょう。